失われた近代建築。
名古屋近代建築の殿堂・名古屋市公会堂にて「失われた近代建築」というタイトルの講演会を拝聴してきました。
写真家 増田彰久氏が半世紀に渡って撮影された現存していない近代建築の
スライドを拝見しつつ、貴重なエピソードなどのお話しも交えてあっという間の二時間でした。
三菱一号館、日本郵船ビル、大ビル一号、三菱銀行本店などなど、
増田氏が撮影された当時のことを「取り壊すなんてとても想像が及ばない建物」という言葉で表現されるに
相応しい建築の羅列。写真の中で生きている建築が現存しない事に違和感を感じる程でした。
全ての古い建築を残すことは不可能だけれども、何を残すべきかという議論が十分になされないまま
取り壊され続けてきたことは目をそむけることができない事実。
史家だけでなく建築家がもっと近代建築を評価すべき、という氏の意見に痛切に共感しました。
その建物の良さにもっと真面目に向き合い、評価する。docomomo選であるとか、建築家の名前であるとか
そうでない部分でフラットに建築を評価できる目を養いたい。強くそう感じた時間でした。
建築に携わる人間として自分のバックグラウンドを鑑みつつ、できることを考えていかねばです。
熱が冷めないうちに氏の同タイトルの写真集をポチっと…。
「失われた近代建築 Ⅰ都市施設編」
「失われた近代建築 Ⅱ文化施設編」
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