2015年8月31日月曜日

ホテルオークラのこと

















ホテルオークラが本日閉館しました。
建替え前にと5月に宿泊しにいったものの、やっぱりもう一度見たくなって夏休み再度訪れました。

その姿を目に焼き付けようと、たくさんの方がラウンジを訪れ写真を撮ったりソファに深く腰掛けて空間を眺めたり、思い思いの時間を過ごしていました。
写真を見返すだけで、あの空間がもうこの世から消えてしまうと思うと何とも言えない、やりきれない気持ちに襲われます。

戦後建てられた建物は、老朽化を理由にここ10年くらいの間にかなり取り壊され建替えられていくのでしょうが、
素晴らしい建築を後世に残してほしい気持ちと、維持管理していく立場の大変さを理解できる気持ちと両方が錯綜します。

ホテルオークラの様な世界中から称賛を浴び、取り壊しに対しても著名な方達から意見書が出される建築ならばその評価は誰の目からみても間違いないのですが、街にある多くのビルはそうではないのです。
人知れず、役目を終えて消えていく。

建築に携わる身として、誰も見つけていな価値を掘り起こしたり、その姿を記録したりやれることはまだまだあります。
新しいものをつくるだけではなく、既にあるものとどう向き合うか。
これからの大きな課題です。

0 件のコメント:

コメントを投稿